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スタッフのコラム  奥村 泰憲 声楽家

コラム No2. 魔法の音 2018年5月10日

モーツァルトの歌劇に“魔笛”という作品がありますが、ドイツ語でも英語でも直訳すれば魔法の笛という事になります。つまりは直訳です。これはオペラの中ではないシーンですが、パミーナ姫の亡くなったお父さんが作った不思議な力を持つ形見の品になります。 この“不思議な力“ですが、このオペラでは楽器が武器に勝ったり、音と音とのハーモニーが、人間と人間の心を結びつけたりと言ったような感動的なテキストが登場して、不思議な力を、天才モーツァルトによって存分に現わされています。
 演奏者の立場からすると、この“不思議な力“を再現することがいつもできたらどんなに幸せだろうと思うのですが、もしかするといつもできないから面白いのかもしれないと感じるときもあります。ただ先人から引き継いできた演奏法の進化によって、進んだ部分は大いにあった事だろうと思っています。しかしより美しいものを求めるのが人間の性。長い音楽歴史の中で度重なる楽器の改良がありました。それによって美しさに安定がもたらされた部分はあります。
 声に関しては体が楽器という点から、会場の響きも楽器という比重がより重くなるような気がしていますが、人間の声を言う楽器を、最も美しい楽器に昇華させてくれる場所が、バチカンのシスティーナ礼拝堂だと思っております。ここの響きが“魔法の音“と呼ばれていたのは、現地に行って知ったのですが、そこで歌った時の感動と言ったら!倍音がギュイーンと鳴って、またほかの歌い手の音にも倍音が増幅され、聖霊(ホーリースピリット)を目にするかのようでした。それにはもしかするとミケランジェロの「最後の晩餐」をはじめとし名画の数々から出てくるエネルギーも強いものを感じました。
 そして正にその場でローマ楽派のバレストリーナやビクトリア、そしてカリッシミなどが、24人の歌手たちと活躍をしていた場所なのだと思うと興奮を抑えきれませんでした。そしてあのアレグリ「ミゼレーレ」が聖金曜日に演奏され、門外不出のこの作品をモーツァルトが1回で聴き取ったという逸話がありますが、そのドラマの場所でもあります。今までいろいろな響きのいい場所で歌わせていただく機会を得ましたが、ここに勝るものはあり得ないと思っております。
個人的にはここでアレグリ「ミゼレーレ」を死ぬまでに一度演奏したいというのが夢ですが、これ以上ない美を経験してしまうと、音楽人生の目標を失ってしまいそうで、怖さもあるのですが(笑)。
2度この場での演奏会をお手伝いさせてもらう機会を得ましたが、この倍音は耳だけでなく肌で感じる部分もありますので、視覚的な部分と霊的な部分も加わって2回とも感動的な体験をさせていただきました。指揮者のことを魔法使いと形容する事がありますが、魔法を使えるようになるためには、魔法を経験しないといけません。あのサウンドに出会えたことは、自分の指揮者としての指針になっているような気もしています。

*写真は2010年11月24日のシスティーナ礼拝堂での演奏会から

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